4月3日会見資料から〜「むし企画」代表への聴取

4月3日に行われた阿部宣男氏(ホタル生態環境館の前館長)の懲戒免職問題に関する記者会見で配布された資料を当会も入手しました。そこから読み取れた事の続きをお届けします。

 

今回は、ホタル生態環境館からの業務を委託されていた「むし企画」についての疑惑を取り上げます。日本共産党の松崎いたる区議は、ご自身のブログに以下のように書いています。

 

引用します。

 むし企画は法人ではない個人のグループですが、年間1400万円ほどの委託料を区から受け取ってホタル飼育や水路管理などを請け負っていました。

 むし企画の現代表は、昨年春ごろから前代表から業務を引き継いでいます。区環境課は現代表に、じっさいにホタル館での業務のために雇用している人の氏名や人数、支払った給与額など聞き取ろうとしましたが、現代表はいずれの質問にも答えられませんでした。

 そのため、区は「契約内容を履行していない」と判断し、契約を途中で解除しています。むし企画からは、契約解除に対しての異議申し立てはいまのところ、ありません。

 

この記事を見ると、むし企画の代表は、まともに業務を実施しておらず、それを咎められて契約解除されたように思えます。「こんな悪い事をしていたのか!」と思ってしまいます。

しかし、会見資料に記された事実認識はまるで違います。

 

来年度の契約の話があるので来てほしいと言われた代表は、2013年8月26日に板橋区役所に出向きました。ところが、資源環境部の山崎部長や井上環境課長等に聴取されたのは、来年度の契約の話ではなく、現契約の履行の問題指摘でした。以下のような事を言われたそうです。

  • そもそも納品しているのか。
  • 委託の費用はどのように使われているのか。
  • 人件費はいくらなのか。人件費と称して他の用途に流れているのではないか。

 

契約書と違うことが行われていて、頭数も違うし、提出している書類が偽造であるなど、契約不履行で損害賠償ものであるというような発言までされたそうです。これらの聴取内容は、余りに一方的で事実無根であったため、代表は非常に困惑し、精神的にも打撃を受けました。

 

8月29日にも再び聴取が行われました。

この時は、契約の履行内容ではなく、事前説明にはなかった阿部氏の方へと話題が移りました。代表は以下のように問われたそうです。

  • 阿部から言われて、名義のみの委託契約なのではないか。実質的に動かしているのは阿部であって、全部金も阿部に回っているのではないか?
  • 責任をかぶりますか? 今回の問題を指摘されたときに責任をとれるのか?

 

そればかりか、井上課長は、「言葉で言えないのであれば、OKならば頭を下げるように」と指示しながら、頭を下げようとしない代表に対して「OKだね、OKだね」と繰り返したそうです。

 

更に、9月10日には、入院中の代表の携帯電話に井上課長から連絡が入り、「阿部に委託費が渡っているのではないか」と断定的に表現しました。そんな事実はないと代表が言っても、井上課長は聞き入れず、認めないと責任を取ってもらうと脅迫ともとれる言動を繰り返したそうです。

 

いったいこれは何でしょうか? 冤罪の大きな原因となる「自白の強要」そのものに思えます。代表が白状したのではなく、板橋区の管理職が勝手な言い分を押し付けようとしただけに見えます。

 

この後、代表からの依頼を受けて、弁護士が2013年10月13日付けの内容証明郵便による通知書を板橋区役所に送付し、以下を区役所に求めました。

 

今回の事情聴取の上記のような内容について、それがなぜ行われたのかについて責任ある説明を文書及び面談にて求めるとともに、事実に基づかずに聴取を実施したことそのものに謝罪を求めます。

また、山崎部長・井上課長は、通知人に了解なくレコーダーを使って録音をされておりました。通知人としてはその録音されたデータを渡していただくように求めます。

 

しかし、区役所からはこの通知に対する誠意ある応答はなく、いわば放置されているそうです。

 

その後、1月27日に至るまで代表には何も連絡のないまま、1月27日に突如実施された生息調査の結果を踏まえて、1月30日に代表の携帯電話に契約解除の通知があり、区は同日付けで契約解除の文書を代表に送付しました。解除理由は「受託者が受託業務を履行できないことが明らかであるため」となっていますが、1月27日から解除までの間に代表には何の連絡もありませんでした。

 

要は「問答無用」で、質問も異議も差し挟む機会は全くなかったのです。

 

この経緯を知るだけで相当疲れますね。しかし、話にはまだ続きがあります。

 

1月27日の調査のあと、驚くべきことに、警視庁第二課がホタル生態環境館の関係者から事情聴取を始めました。最初に聴取されたのは代表で、3月20日に最後(3回目)の事情聴取を受けました。代表以外の方々も対象となりました。

このような事情聴取は、区からの働きかけがなければ始まるはずもありません。根拠らしい根拠のないままに警察が動く事態を「異常としか映りません」と資料には書かれています。

 

なお、代表への聴取にて、供述調書は一切作成されずに終了しているとのことです(3月20日の時点で終了と言われているとのこと)。

 

長い経緯でしたが、どう思われましたか?

どこかに、むし企画の不正を示す証拠があったでしょうか? ありません。

どこかに、阿部氏の不正を示す証拠があったでしょうか? ありません。

あったのは、勝手な決め付けと自白の強要だけに思えます。今まさに、私たちの目の前で「冤罪」が生み出されているのではないでしょうか。私たち自身が後悔しないために、区に対して強く真相の解明を求めて行きたいと思います。

 

以上