2014年

4月

10日

4月3日会見資料から〜特許実施料金の免除

4月3日に行われた阿部宣男氏(ホタル生態環境館の前館長)の懲戒免職問題に関する記者会見で配布された資料を当会も入手しました。そこから読み取れた事の続きをお届けします。今回は、過去の経緯の不明点を補うために関係者に事情を伺って補いました。

 
今回は、懲戒免職理由の後半に挙げられた静岡県C町のホタル水路整備についてです。「事実概要」には以下のように記されています。
 
引用します。
◇平成24年2月~3月
 静岡県C町で施工されたホタル水路整備について、D事業者を紹介し請け負わす。
 また、D事業者が静岡県C町に提出した「業務代理人等通知書」には、主任技術者と記載され業務にも携わった。
◇平成24年5月
 静岡県C町宛に文書で「ホタル飛翔に関する事項〔最低五年間〕」を提出し、区に歳入するべき特許実施料金の免除を約束。
 

上記の「静岡県C町」とは静岡県駿東郡小山町を指し、「D事業者」とは有限会社ルシオラを指します。ここでは、阿部氏が、まるでルシオラ社に不当な利益を与えた上、「区に歳入するべき特許実施料金の免除を約束」したのが悪事とされているように読めます。

 

ところが、これもたいへん不可解な理由なのです。

 

まず、ルシオラ社はもともと茨城大学ベンチャー企業からスタートした経緯のある会社で、ホタル再生の特殊技能を持っています。「D事業者を紹介し請け負わす」と、まるで悪い事のように記載されていますが、板橋区の了解の元に、2004年10月から、ホタル生態環境館の関わったほとんどすべてのホタル再生事業を行ってきたそうです。小山町の事業の請負だけをとりたてて悪く言うのはたいへんおかしな事だと思います。

 

次に、阿部氏が発明し、板橋区が出願人となっている特許「ホタルの累代飼育システム及び方法」は、2002年1月23日が出願日となっています。板橋区では、この出願日以降の新規の案件について発明の実施料を請求していたそうです。

 

 

小山町とは2002年以前から交流があったため、小山町は発明実施料の請求対象外となっていました。ホタル水路整備は2012年2月に実施されましたが、この事業について小山町長から板橋区長に出された職員派遣の依頼状には、「以前から交流のある阿部宣男様の職員派遣をご配慮いただきますようお願い申し上げます」と記されています。この「以前から交流のある」は、2002年1月23日以前の事を指しているので、阿部氏は発明実施料の請求対象外と判断したのです。

 

阿部氏は区の定めた発明実施料請求のルールを踏襲したに過ぎないように思えます。この行為の何が問題なのでしょうか?

 

また、「業務代理人等通知書」に「主任技術者」として阿部氏の名前が掲載されていると指摘されていますが、まず、この文書には阿部氏の署名や押印はありません。阿部氏の知らない文書だったそうです。さらに、この文書は書式自体が小山町のものであり、小山町が作成した文書にルシオラ社が主任技術者の名前を加え、記名押印したという経緯だったそうです。ルシオラ社としては、板橋区の特許技術を使って阿部氏の技術指導の元に業務を実行するので、特許を尊重している事を示すために主任技術者として阿部氏の名前を入れたようです。

 

もちろん、小山町からルシオラ社が受け取った業務委託料から、顧問料や作業委託費等の形で阿部氏に金銭が渡った事実は一切ないとの事です。

 

上記のような申し立てをみると、懲戒免職の理由とされた「事実概要」の何が「悪事」なのかサッパリ分からなくなります。板橋区長は、自分が受けた協力要請や、区の発明実施料の要求ルールに従った事を懲戒免職に値する行為だと言いたいのでしょうか? この調子だと、板橋区の職員は誰でもすぐに懲戒免職にできてしまいそうですね。

 

以上