2014年

5月

12日

不適切な管理で危機に瀕するせせらぎ

去る5月11日(日)に、ホタル生態環境館を数名で見学する見学会が行われました。当会の関係者も参加しており、その方々から現在のせせらぎの状況を聞きました。

 

その結果、せせらぎの管理状況が非常に悪く、ホタルを含めせせらぎに生存している生き物全ての生存が危惧されている状態であると当会では判断しています。今後、区に対して早急な改善を強く求めると共に、区民の目で状況を確認する見学会を定期的に開催して行きます。

 

見学会に参加したい方は、ぜひ、当会へご連絡をください。一緒にせせらぎの状態を見に行きましょう。

 

2014-05-11のせせらぎ
2014-05-11のせせらぎ

上に示したのは、5月11日の見学会の時のせせらぎの様子です。一見して、草がボーボーと生い茂っているのが見て取れますが、この件も含めて問題点を以下に列挙します。

  • 水質の悪化が懸念される。従来、11項目について定期的に水質検査を行って、注意深く水質が維持されてきた。しかし、現状、pH値(ペーハー値)と水温の2項目しか検査されていない
  • 水位が低く、流速が遅い。せせらぎにはイワナが棲んでいたが、今はせせらぎにいられないほど水位が低く、イワナは飼育室にて保護されているらしい。どうやら、ポンプが適正に調整されていない。
  • 流速が遅いと、溶存酸素濃度(水の中の酸素の濃さ)が低くなる。ゲンジボタルは流速のある清流に棲むことが多い。これは、ゲンジボタルが高い溶存酸素濃度を必要とするからだ。従来のせせらぎでは、溶存酸素濃度は飽和状態になるように管理していたが、現状では溶存酸素のかなりの濃度低下が懸念される(ゲンジボタルは棲めなくなる)。溶存酸素濃度も必須測定項目の一つであったが、現状では測定されていないので、濃度の判断さえできない
  • 水温が13℃で固定されており、この時期としては低すぎる。ホタルの成長は温度に大きな影響を受けるため、例年通りの成長は見込めない。室温や水温が適正に管理されていないのではないか
  • 植生が管理されておらず、草がボーボーに茂っている。そのため、ホタルの上陸を確認するのが非常に難しくなっている。従来は、せせらぎを傷めないように注意しながら、草を剪定していたらしい。今は、全く管理されていないように見える。
  • 土壌の養分を横取りするゼニゴケが繁茂している。繁殖力が強く、しかも駆除が難しい。この点からも植生の管理が不十分である。
  • この時期になっても、一匹もホタルの上陸が確認されていない。これが植生の繁茂によるものなのか、本当に上陸していないのかも不明。
  • カワニナの死骸がまとめて外せせらぎに置いてあった。従来は、カワニナの死骸はそのままにして、自然の代謝にまかせていた。中にホタル幼虫がいた可能性もあり、死んでいると思っても、安易に捨ててはいけないのだ。
  • 現在、飼育室には立ち入りが禁じられているが、外の窓から覗いたところ、飼育室の生態水槽が崩されているように見えた。飼育室にある生態水槽は、「ミニせせらぎ」であり、せせらぎと同じ環境を保つことで、せせらぎに起こっている事を知るための重要な「窓」であった。生態水槽の管理も適切に行われていないように見える

以上のような状況を見ると、板橋区はせせらぎを不適切な管理状態に放置することで、生命を全て死に追いやろうとしているとさえ思えます。現場の飼育員は、「始めて間もないから分からない点が多い」と言っており、そのような状態で管理を委ねている板橋区の責任は重いと考えます。